フィンランド語の「少しの間」を意味する「vähän aikaa」と「vähäksi aikaa」の違いを整理します。

少しの間待てる?
Voitko odottaa vähän aikaa?
(待つことはできますか)

うん、じゃあ少しの間ここにいるね。
Jään tänne vähäksi aikaa.
(少しここに留まります)

あれ?どちらも「少しの間」なのに、違う表現だね。
vähän aikaaとvähäksi aikaaの違いはなに?
もくじ
「少しの間」の「vähän」は変化する
少しの間待つ。
少しの間ここにいる。
日本語ではどちらも「少しの間」という表現を使えますが、フィンランド語では「vähän(少し)」が文によって変化します。
それぞれの使い方を見てみましょう。
まずは「vähän aikaa」です。これはそのまま「少しの間」と訳すことができます。
vähän aikaa
少しの間、ちょっとの間、
vähän aikaaは以下の要素があった時に使います。
- 時間の長さに注目
- 動きがない状態
次例文を見てください。
Bussi on pysäkillä vähän aikaa.
バスは少しの間停留所にいます。
この文章で「vähän aikaa」を使うのは次の理由からです。
1、「少しの間」という、単純に時間の長さの話をしている点
2、「olla pysäkillä(停留所にいる)」は動きのない状態
動きがない、というのはピンとこないかもしれません。要は「バスがどこからか来て停まったり、走り出したりしていない」というころですね。
これは過去形でも同じです。
Polkupyörä oli kaupan edessä vähän aikaa.
自転車が少しの間店の前にあった。
では「vähäksi aikaa」です。こちらは以下の2点に注目します。
- 状態の変化
- 動きがある状態
vähäksi aikaa
少しの間(〜の状態になる)、ちょっとの間(〜の状態になる)
Bussi pysähtyy pysäkillä vähäksi aikaa.
バスは少しの間停留所に停車する。
この例文では、以下の2点の理由から「vähäksi aikaa」が使われます。
1、「走っている状態から停車する」という状態の変化に注目
2、「走っている状態から停車する」という動きのある状態
なお、「pysähtyä(停車する)」以外にも「jäädä(留まる)」「mennä(行く)」なども「vähäksi aikaa」と相性の良い動詞としてよく登場します。
たとえば少しの間キッチンへ行くと言う場合、移動という「状態の変化」が起こっていますよね。そのため「vähäksi aikaa」がふさわしいと考えられます。
Menen keittiöön vähäksi aikaa.
少しの間キッチンに行きます。
みなさん、ここまででどうですか?
時間にフォーカス、状態が変化する…はぁ?って感じですか?私もそうです。
最後にいくつか例文を見て、いつどっちを使うか考えてみましょう。
Auto on kadulla… (どっち?)
車が道に少しの間ある。
答え: vähän aikaa.
「Olla kadulla(道にある)」はすでにその状態にあり、変化がなく「少しの間道にあった」にフォーカスした話なので「vähän aikaa」を使います。
Tyttö menee puistoon… (どっち?)
女の子が公園に少しの間行く。
答え: vähäksi aikaa.
今度は「行く」という動きのある動詞で「状態に変化」がある話なので「vähäksi aikaa」を使います。

な、なるほど?
なお、どちらの表現も使えるケースもあります。
これを理解するとちょっと感覚が掴めるかもしれません。
たとえば、「istua(座る)」という動詞を使った場合、両方のケースが考えられます。
Istun vähän aikaa.
Istun vähäksi aikaa.
少しの間座る。
どちらも「少しの間座る」ですが、「vähäksi aikaa」は状態の変化を表すので、これから「少しの間座る状態になる」というイメージが浮かびます。
Istun vähäksi aikaa.
少しの間座る(まだ座っていないイメージ)。
ちょっとヒントになりましたか?

ちょっと分かったかも?
でも、難しいなぁ。

がんばって私なりに噛み砕いみたけど…
うまく説明できなくてごめん!
今回は「少しの間」で説明しましたが、「jonkin aikaa/joksikin aikaa」など他の表現でも同じように解釈ができると思われます。
以上です!

