フィンランド語の完了形(perfekti)の整理、3回目です!
今回は「結果から起きたことを推測する」をテーマに、過去形との使い分けを考えます。
昨日の夜、雨が降ったみたいだよ?
え、本当?
寝てて気づかなかった。
僕も寝てたけど、地面が濡れてるからさ。
地面が濡れてるから、ね。
完了形の良い例文いただきましたっ。
結果から起きたことを推測する時は完了形
フィンランド語の完了形は、見ていない過去の出来事を結果から推測する時にも使うことができます。
たとえばこんな時です。
- (朝、地面が濡れているのを見て)夜中に雨が降った(ようだ)
- (残り香を感じて)だれかがタバコを吸った(ようだ)
結果や形跡から「こんなことが起こったに違いない🧐」と伝えているわけですね。
結果から推測、まるで探偵だね。
ここで「夜中に雨が降った」を例に、完了形と過去形を比べてみましょう。
完了形
Yöllä on satanut vettä.
夜中に雨が降った。
(雨が降ったところは見ていないが、濡れた地面から雨が降ったと分かる)
過去形
Yöllä satoi vettä.
夜中に雨が降った。
(雨が降っているのを見た、もしくは単に「雨が降った」と伝えている)
完了形は「目撃はしていないが、濡れた地面という結果が見えるので、夜中に雨が降ったと言える」といったニュアンスです。
一方、過去形は雨が降っているのを目撃した、もしくは単に夜中の天気の情報を伝える、といったニュアンスです。
もうひとつ例を見てみましょう。
完了形
Joku on mopannut lattiaa eilen.
昨日、だれかが床にモップをかけた。
(見てはいないが、床がピカピカなので、だれかがモップをかけたと分かる)
過去形
Joku moppasi lattiaa eilen.
昨日、だれかが床にモップをかけた。
(だれかがモップをかけているのを見た、もしくは単に昨日の掃除の話をしている)
完了形は見ていない過去の出来事を、結果から推測して表す時に使う
過去形は目撃したことを表す、もしくは単に過去の出来事を表す時に使う
さて、今までの例文をみて「ん?」となった方もいるかもしれません。
フィンランド語の完了形① 正確な「いつ」を伝えない で書いたことと矛盾することが例文に入っているからです。
それは、完了形の文には「いつ(when)」を表す言葉を入れない、というもの。
前の記事では「子供の頃」「2020年に」「その時」などの表現がある時は過去形を使う、と書きました。
これは間違いではありません。
たとえば、「昨日だれかが部屋を掃除した」は過去形を使います。
完了形は正確な「いつ」を伝えない表現なので「昨日」は使いません。
過去形正しい⭕️
Joku siivosi huoneen eilen.
昨日、だれかが部屋を掃除した。
完了形正しくない❌
Joku on siivonnut huoneen eilen.
昨日、だれかが部屋を掃除した。
しかし、結果から過去の出来事を推測する完了形では「いつ」を含めることができます。
完了形正しい⭕️
Joku on siivonnut huoneen eilen.
昨日、だれかが部屋を掃除した。
(見ていないが、部屋がきれいなので、昨日だれかが掃除したとわかる)
「きれいな部屋」という結果を見て「昨日だれかが掃除したと言える(おとといとの比較)」といった作りだからです。
使い方によってルールが違うことを覚えておきましょう!
ただネイティブいわく「こういう表現を使う状況はあまり思いつかない」とのこと。
雨、雪が降ったようだって表現が一般的みたいね。
でも、使い方の一つとして押さえておきたいところ。
最後に例文を見て終わりにしましょう!
完了形
Puistossa on pidetty jokin tapahtuman eilen.
昨日、公園でなにかイベントが開かれたようだ。
(見てはいないが、ゴミが多く落ちているのでイベントがあったと分かる)
完了形
Hanna on ostanut uudet kengät.
ハンナは新しい靴を買った。
(買ったとこは見ていないが、新しい靴を見て分かった)
完了形
Kuka on polttanut täällä? Tämä on savuton alue!
だれがここでタバコを吸ったの?ここは禁煙ですよ!
(見てはいないが、残り香でだれかが喫煙したと分かる)
完了形
Joku on korjannut oven.
だれかがドアを直した。
(見てはいないが、ドアが直っているで、だれかが直したと分かる)
以上です。
ニュアンスを掴むの難しいわ…。
完了形の旅、まだ続きます!