フィンランド語の前者後者をあらわす代名詞の文法ルールを紹介します。
マリがヒロシと歩いてたら転んだんだって!
転んだのはマリ?ヒロシ?
あ、解りにくかったね。
ヒロシだよ!
「マリがヒロシと歩いていたら、転んだ」。
代名詞のルールを学ぶ良い例文だ!
前者後者を見分ける代名詞
「マリがヒロシと歩いていたら、転んだ」
日本語では二人の人物が登場する文だと、あとに続く文の主語があいまいになるケースがあります。
転んだのはマリかヒロシかわからない!
しかしフィンランド語では前者後者、どちらの話かを代名詞で示すことができます。
こちらの2つの文を見てください。
hän
Mari käveli Hiroshin kanssa, ja hän kaatui.
マリがヒロシと歩いていたら、マリが転んだ。
tämä
Mari käveli Hiroshin kanssa, ja tämä kaatui.
マリがヒロシと歩いていたら、ヒロシが転んだ。
hänだとマリが転んだことになっています。
tämäだとヒロシが転んだことになっています。
もうお分かりですね?
代名詞のルール
- hänは前者、つまり最初に出てきた人物を指す
- tämäは後者、つまり二番目に出てきた人物を指す
※複数形の場合は「he」「nämä」になります
もちろん「Mari käveli Hiroshin kanssa, ja Hiroshi kaatui.」と言うこともできます。
しかし、同じ言葉を繰り返すとまどろっこしい印象を与えます。
またこの表現を知らないと、人に言われた時「どちらの人物に起こったか」が解らなくなります。
ぜひ覚えておきましょう。
もし最初に出てくるのが人ではなく、たとえば動物や会社、物だった場合は「se(複数形ならne)」を使います。
se
Koira leikkii tytön kanssa ja se juoksee.
犬が少女と遊び、犬は走る。
hän(前者)
Humalainen puhui naiselle ja hän huusi.
酔っ払いが女性に話しかけると、酔っ払いは叫んだ。
tämä(後者)
Humalainen puhui naiselle, ja tämä huusi.
酔っ払いが女性に話しかけると、女性は叫んだ。
hän(前者)
Liisa haki Nokialle, mutta hän valitsi toisen työn.
リーサはノキアに応募したが、リーサは別の仕事を選んだ。
tämä(後者)
Liisa haki Nokialle, mutta tämä valitsi toisen hakijan.
リーサはノキアに応募したが、ノキアは別の人を選んだ。
se(人でない前者)
Pahvilaatikko leikattiin saksilla, ja se meni rikki.
段ボール箱がハサミで切られると、段ボールが壊れた。
nämä(複数形の後者)
Pahvilaatikko leikattiin saksilla, ja nämä meni rikki.
段ボール箱がハサミで切られると、ハサミが壊れた。
以上です!
文法の記事もどんどん増やして行きたいな。