フィンランド語の分格(partitiivi)の使い方を紹介します。
今回は数字と分格のコンビネーションにまつわるルールを5つピックアップしました。
あ、ちょっと待って!
分格って単語にa/äとかta/täとか付くやつだよね。
その通り!
「omena(リンゴ)」なら「omenaa」となるね。
たしか形容詞も分格になるよね。
「kaunis(美しい)」は「kaunista」。
お、分かってるね👍
じゃあ今回は数字のあとに分格が来る文法について紹介するよ!
*記事の最後に参考サイトのリンクを載せてあります。
*この記事で紹介している内容は一部であり、すべての文法をカバーするものではありません
数字と分格の5つのルール
フィンランド語には、数字のあとの形容詞や名詞は分格(partitiivi)になるという文法ルールがあります。
たとえばリンゴは「omena」ですが、3つのリンゴと言う時は「omenaa」と分格なります。
kolme omenaa
3つのリンゴ
なお、ゼロの場合も分格です。
nolla pistettä
ゼロ点
ここまでは基本だね!
では5つのルールを見てみよう!
数字といっても、1は例外です。
1の場合は分格ではなく原型のままです。
yksi omena
ひとつのリンゴ
「二つの小さいボール」
「100人の走っている子供」
上の例にある「小さい」「走っている」のような、数字の後にくる名詞を修飾する言葉も分格になります。
たとえば「二つの小さいボール」の場合、ボールだけでなく「小さい」も分格になります。
kaksi pientä palloa
二つの小さいボール
100 juoksevaa lasta.
百人の走っている子供。
なお「走っている小さな子供」のように、2つ以上の修飾語がくる場合も同様です。
100 juoksevaa pientä lasta
百人の走っている小さな子供
走っている百人の子供…どういう状況?
「最初の50匹の犬」
「ほぼ120年」
上の例にある「最初の」「ほぼ」のように、数字の前にくる形容詞は複数形の「-t」になります。
ん〜?どゆこと?
たとえば「最初の50匹の犬」と言う場合、この「ensimmäinen(最初の)」は「ensimmäiset」となります。
Ensimmäiset 50 koiraa.
最初の50匹の犬。
「ensimmäistä」と分格にならないの?
数字の前に来てるとこに注目して!
あ、そっか!
「ensimmäinen」は50の前にあるのか!
そう、もし50の後にあったら、
「50 ensimmäistä koiraa」で君が正しいよ!
でも、前にあると「ensimmäiset」なの。
もうひとつ例文です。
Vajaat 120 vuotta
ほぼ120年
なお、指示代名詞の複数形に「-t」の形はないので、ふつうの複数形になります。
tämä → nämä
tuo → nuo
se → ne
Nuo 50 koiraa.
あれらの50匹の犬。
日本人的には「一つやないかい!」と思っても、複数形が基本として使われている名詞がフィンランドにはあります。
たとえば「tikkaat(はしご)」「häät(結婚式)」などです。
「-t」で終わる単語だね。
これらの単語は、数字と組み合わせても分格の形にはなりません。
「-t」のままでOKです。
さらに数字にも「-t」をつけます。
viidet tikkaat
5つのはしご
12 (kahdettoista) sakset
12個のハサミ
「kengät(靴)」など二つで一つのものも「seitsemät kengät」と表すことができます。
しかし「pari(ペア)」など、単位を表す言葉と合わせ、分格にすることもできます。
このとき単位を表す単語は単数系の分格になり、そのあとの名詞は複数形の分格になります。
seitsemän paria kenkiä
7揃いの靴
pari → paria (単数分格)
kengät → kenkiä(複数分格)
これはダース(12個でひとつ)を表す「tusina」なども同様です。
300 tusinaa kyniä
300ダースの鉛筆
tusina → tusinaa (単数分格)
kynä → kyniä(複数分格)
なんで⁉️
なんでだろうね。
フィンランド語の沼へようこそ、としか言えない!
他にも単位を表す言葉が現れたらご注意ください。
今回はここまで!
すべてを網羅するものではありませんが、参考になる部分があったら嬉しいです!