英語と同じように、フィンランド語の過去完了形も「完了、継続、経験」を表します。
今回はこの「完了」の使い方を理解しましょう。

3時にマリの家に行ったら、マリはすでに出かけた後だったよ。

「マリはすでに出かけていた」
…これは過去完了形で表せる表現だね。

「3時にマリの家へ行った」は過去形で…
「マリは出かけていた」は過去完了形?

過去の中の過去の話だからね!
過去完了形の完了
Aをした時、それより前にBはすでに終わった状態だった。
このような「Aをした」「Bは終わっていた」といった、2つの過去の出来事を表すにはどうすればよいでしょうか?
しかもBはAより前に起こった出来事。
…さて、どうしましょう?
こういう時は、過去形と過去完了形を使います。
たとえば「3時にマリの家へ行った時、マリはすでに出かけた後だった」です。
Kun kävin Marin luona kolmelta, Mari oli jo lähtenyt.
3時にマリの家へ行った時、マリはすでに出かけた後だった。
「3時にマリの家へ行った」を過去形、「マリが出かける」を過去完了にすることで、
- 3時に訪ねた時(←過去のある時点)
- マリの出かける行為は終わっていた(←過去より前に完了したこと)
と表現することができます。

マリは3時より前に家を出てたってことね?

うん、転じて「3時にマリは家にいなかった」となるよ。
もう一つ例文です。
Olimme jo paenneet naapurimaahan, kun sota syttyi.
戦争が始まった時、私たちはすでに隣国へ避難していた。
理解を深めるために、過去形と比べてみましょう。
「3時にマリを訪ねた」も「マリは出かけた」も過去形だったらどうなるでしょうか?
Kun kävin Marin luona kolmelta, Mari lähti.
3時にマリの家へ行った時、マリは出かけた。
過去形だけだと「家に行った」と「マリは出かけた」が3時に同時に起こったことになります。

状況が変わる!
またこの文章は文法的には合っていても、表現として不自然です。
起きたことの前後関係がハッキリしない点もありますし、唐突な印象を与えます。

日本語でも理解はできるけど、ちょっと変な感じするね。
なので「マリは出かけるところだった」といった変更が必要になります。
ただし、こちらも「マリはすでに出かけた後だった」の意味は消失します。
Kun kävin Marin luona kolmelta, Mari oli lähdössä.
3時にマリの家へ行った時、マリは出かけるところだった。
否定の過去完了形
では、過去完了形の否定はどうでしょうか?
その場合、
Aをした時、Bはまだ終わっていない状態だった。
…ということになります。
「3時にマリの家へ行った時、マリはまだ出かけていなかった。」といった感じです。
Kun kävin Marin luona kolmelta, Mari ei ollut vielä lähtenyt.
3時にマリの家へ行った時、マリはまだ出かけていなかった。
過去完了の否定だと「マリの家へ行った3時」には「マリの出かける行為は終わっていなかった(なので家にいた)」となります。
もう一つ例文を見て感覚を掴んでください。
Emme olleet vielä paenneet naapurimaahan, kun sota syttyi,.
戦争が始まった時、私たちはまだ隣国へ避難していなかった。
例文
Kun muutin Suomeen, ystäväni oli jo muuttanut takaisin Japaniin.
私がフィンランドへ引っ越した時、友人はすでに日本に帰国した後だった。
Lapsi ei ollut vielä tehnyt kotitehtäviä, kun äiti kysyi.
母親が聞いた時点で、子供はまだ宿題をしていなかった。
以上です!

基本は英語と同じような感覚で使えば良いと思う!