フィンランド語の名詞、形容詞「kaikki」にまつわるルール、第二弾です。
今回は形容詞の時に気をつけることを見ていきましょう。
Pienet kissat ovat söpöjä.
小さい猫はみんな可愛い。
お、kissatに合わせて、pieniもちゃんとpienetと複数形にしてるね。
素晴らしい!
ふふふ。
フィンランド語は名詞にあわせて形容詞も変化するからね。
でもさ、大きい猫も可愛いよ?
確かに!
「全ての猫はかわいい」だから…
Kaiket kissat ovat söpöjä.
あれ?なんか変な気がする。
その違和感は正しい!
kaikkiが形容詞のケース
フィンランド語は名詞に合わせて形容詞も変化します。
さきほどの例のように、kissaをkissatと複数形にするなら、それを修飾するpieniもpienetにしなければいけません。
しかし形容詞「kaikki(すべての)」は例外的な扱いをされます。
「kaikki」を「すべての」と形容詞として使い、あとに続くのが数えられる名詞の場合、次のようなルールがあります。
- kaikkiは変化しない
- 名詞は複数形(-t)になる
たとえば、「すべての猫」は「kaiket kissat」ではなく「kaikki kissat」となります。
Kaikki kissat ovat söpöjä.
すべての猫はかわいい。
kaikkiはそのまま。
kissaだけ変化した!
次の例文も同じです。
「kaikki」は原型のままです。
Kaikki aikuiset maksavat veroja.
すべての大人は税金を払う。
aikuinenだけがaikuisetになった!
いつも複数形で表される名詞(ハサミ、ずぼん、祭)にも同じルールが当てはまります。
Kaikki sakset ovat laatikossa.
すべてのハサミは箱の中だ。
ただし「kaikki」が全く変化しないわけじゃありません!
名詞が別の格になっている場合は、「kaikki」もそれに合わせて変化します。
その際、「kaikki」は複数形になるので注意です。
Kaikilla ihmisillä on ihmisoikeudet.
全て人が人権を持っている。
単数形のkaikellaじゃなくて、複数形のkaikillaになるんだね!
Hän on käynyt kaikissa Euroopan maissa.
彼女はヨーロッパのすべての国を訪れた。
では、数えられない名詞とセットで使う時はどうでしょうか?
数えられない名詞は液体など、形の無い物だよ。
ルールは次のとおりです。
- kaikkiは変化しない
- 名詞は単数形
たとえば「すべてのコーヒー」です。
Kaikki kahvi on vesipullossa.
全てのコーヒーは水筒の中だ。
kaikkiもkahviも単数形のままだ!
その後に続く動詞も単数だね。
Kaikki soijajuusto on syöty.
全ての大豆チーズは食べつくされた。
「kaikki」が名詞とともに格変化する場合も、単数形です。
Juhlat eivät lopu ennen kuin juomme kaiken oluen pois.
すべてのビールを呑み干すまで、パーティーは終わらない。
ただし、数えられない名詞であっても複数形が登場することもあります。
たとえばこちらの例文です。
D-Vitamiinia on lisätty kaikkiin mehuihin.
全てのジュースにビタミンDが配合されている。
ジュース自体は数えられない名詞です。
しかし、いろいろな種類のジュースのどれにでもビタミンDが入っている、という解釈で複数形になることもあります。
少し注意が必要ですね。
例文
Kaikki vauvat nukkuvat hiljaa.
赤ちゃんはみんな静かに寝ている。
Aika kävi vähiin kaikissa projekteissa.
すべてのプロジェクトにおいて時間が不足した。
Mitä tapahtuu jos kaikki maailman vesi kuivuu?
世界の全ての水が干あがったら何が起こる?
以上です!
まだまだ続く⁉️