ある主張に対して、自分は同意しないといったニュアンスを含めるフィンランド語の副詞「muka」を紹介します。
あの人いわく、犬はバカだって言うんだよ!
ぼくは全然そう思わないよ!
それはムカつく。
mukaだね!
ムカ…muka?
mukaは同意しないニュアンスを込められる言葉だよ!
意味と使い方
「犬はバカだ(と主張する人がいるが、自分は同意しない)。」
こんなふうに、ある主張を誰かに伝える際に「自分は同意しないけれど」といったニュアンスを含めたい時があります。
そんな時は副詞「muka」が非常に役に立ちます。
muka
(〜という主張があるが自分は同意しない、疑わしい)
こちらの2つの例を比べてみましょう。
Koirat ovat tyhmiä.
犬はバカだ。
Koirat ovat muka tyhmiä.
犬はバカだ(と主張する人がいるが、自分は同意しない)。
「Koirat ovat tyhmiä.」だと犬はバカだと主張しています。
しかし「muka」を入れると「犬はバカだという主張があるが、自分はそう思わない(犬はバカじゃない)」と逆の主張になります。
一言加えるだけで主張がひっくり返る、隠れた重要単語ですね。
口語風だと「〜だってさ(そんなことないやい)」って感じかな。
なお、不満や釈然としない感情があると受け止められるので、「muka」の多用にはお気をつけください。
だからムカつくのmukaって言ったんだね。
覚えやすいでしょ?
「muka」はまた、疑わしい気持ちを表すこともできます。
Hän on muka sairas.
彼は病気だ(と言う主張があるが疑わしい)。
このケースでは皮肉めいたニュアンスが漂います。
こちらも使う際は気をつけましょう。
「muka」の後に「mutta…(でも、しかし)」とディテールを加えることで、より話がはっきりします。
たとえば、下の例文です。
Marja on muka nukkunut työn aikana.
マルヤは仕事中に寝ていた(と主張する人がいるが、疑わしい)。
これだけで十分ではありますが…
… , mutta en ole ikinä kuullut, että Marja olisi ollut laiska töissä.
一度だってマルヤが仕事で怠けてるなんて聞いたことがない。
…なぜそう思うかが加わり、内容が伝わりやくなりました。
例文
Tästä ravintolasta saa muka maailman parasta pitsaa.
このレストランには世界一のピザがある(という主張があるが、そうは思わない)。
Firman rahat käyvät muka vähiin, mutta toimitusjohtaja päätti rakentaa uuden toimiston.
会社の資金が不足しているが、社長は新しいオフィスを建てると決めた(ので、資金不足は疑わしい)。
Joni muka syrjii uusia naapureita heidän ammatin perusteella.
ヨニは新しい隣人を職業で差別している(という話があるが、同意しない)。
以上です!